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『くも漫。』星野源ファンにもおすすめ!不覚にも笑いを禁じ得ない「くも膜下出血」闘病マンガの決定版!

更新日:

著者:吉原さん

今回ご紹介するのは中川学『くも漫。』。

「くも膜下出血」を発症した作者の、発症前後・闘病生活が描かれた作品です。

一見するとわかりづらいタイトルの由来は、くまモンに似た「くも膜下出血」のイメージキャラクターの「くもマン」が登場することと、「くも(膜下出血)(画)」の略とかけられているが故の『くも漫。』でしょうね。

くもマン

(リイド社/中川学『くも漫。』第14話 聖戦)

旺盛なサービス精神で描かれる不覚にも笑える闘病記。3回くらい爆笑するとともに「くも膜下出血」の恐ろしさに震えました。

「死」に直面して生き方を見つめなおすという闘病記ならではの真摯な姿勢もあり、1冊で3度美味しい作品です。

ジャケ買いでしたが大成功。

星野源ファンにとっても、彼がいったいどんな症状に見舞われたのか想像する上ではかなり役に立つと思います。

(私も星野源ファンです)

また親族一同による「作者はどこで倒れたのか?」を探るミステリー仕立ての一幕などもあり、面白おかしくも読める、かなりオススメの一冊です。

それでは、よろしくお願いします!

「くも膜下出血」とは?

脳の中の「くも膜」と呼ばれる部分の内側で動脈のコブが破裂する病気で、日本では年間約2万4000人(男性3割、女性7割)が発症。

そのうちの1/3が死亡し、残りの1/3は後遺症が残り、残りの1/3が完治すると言われ、50~60代に多いそうです(作中表記より)。

よく「バットで殴られた」ような痛みとも言われるくも膜下出血ですが、脳動脈瘤が破れると猛烈な頭痛におそわれるそうです。

同時に吐き気や嘔吐が起こり、そのまま意識を失うことも多く、症状が軽い場合は風邪をひいたせいでの頭痛と勘違いすることもあるのだとか(…やっかいですね)。

「くも膜下出血」にかかった人

この病気は『逃げるは恥だが役に立つ』でも有名な星野源さんや広島・巨人で活躍した木村拓也・元プロ野球選手もかかったことで知られています。

2012年にこの病に倒れた星野源さんは復帰して活躍中なのはご存知のことと思いますが、2010年、まさにテレビカメラの前で練習中にゆっくり崩れ落ちるように倒れた木村拓也コーチ(当時)は回復することなく亡くなってしまいました。

星野源さんの公式の動画では「くも膜下出血」を「奈落」として表現しています(動画の1:35から)。

何気なくない日々を

何気なくない日々を 駆け抜けた先に

奈落は待っている

Victor Entertainment/星野 源 - 化物 【MUSIC VIDEO & Album Trailer】

復帰後しばらくして、星野源さんは再手術を行いました。

「くも膜下出血」は再発が多いらしく、なかなか安心できない恐ろしい病です。

わかりやすい! 症状のマンガ表現

自己感覚のマンガ的表現は、この作品の大きな見どころのひとつです。

筆舌に尽くしがたい痛みを、見事にマンガ的手法で表現しています。

「自己の感覚」って、既成的な性格を帯びる「言語」よりも絵の方がよっぽど伝わりやすいってことありますよね。

これはものを見てもらってナンボなので、さっそくいくつかご紹介していきましょう。

発症時

くも膜下出血発症1
くも膜下出血発症2
くも膜下出血発症3
くも膜下出血発症4

(リイド社/中川学『くも漫。』第3話 搬送)

発症の瞬間のツキューンとなにかが突き抜ける感覚。

追いかけてくる激烈な痛み。

思わず「つの丸」先生タッチになってしまうほどの吐き気。

(作者本人はこの時のことを「漂い始める死のにおい」と表現しています)

そして星野源さんも口にした「バットで殴られた」ような痛み。

両目が飛び出し、鼻血も吹き出るという古典的なギャグの表現なんですが、流れからいって決してオーバーではないと感じさせるところに凄みがあります。

集中治療室

夢かうつつか、自分の脳が取り出され、見知らぬ誰かがそれを持っています。

「あっ それボクの!!」と言ったかと思うと・・・

くも膜下出血術後の痛み

(リイド社/中川学『くも漫。』第5話 生還)

ガシーン

昔、流行った「かみつきばあさん」を彷彿とさせる存在に嚙みつぶされる脳。

…想像するばかりですが、とんでもない痛みなんでしょうね。

星野源さんは集中治療室では一睡もできなかったとおっしゃってましたし。

作者もこの時点では本当に地獄だったようで、強烈な吐き気で洗面器をとろうと体をよじると頭の管が引っ張られてその場でゲー。

うわ、と身体を避ければ尿管に入れられた管が引っ張られてピィーーン(痛い)。

まさに本人が言うところの「管地獄」ですが、地獄はそれで終わらない。

くも膜下出血術後の症状1
くも膜下出血術後の症状2

(リイド社/中川学『くも漫。』第5話 謎の発熱)

手の甲がベッドの柵にあたった瞬間、ウェーブのように体に走る「冷気の波」と襲い来る激烈な悪寒…。

いや「悪寒」じゃ表現として甘い。「極寒」を体感することになります。

これが、冷蔵庫のプリン触っただけでも発現するっていうんだから、たまったもんじゃないですよね。

新手のスタンド使いの存在を疑うレベルですが、原因は「謎」だそうです。

・・・なにそれ、怖い。

文章で読むと「そうか。冷たいものに触ると強い悪寒を感じたのか」と斜め読みしてしまいそうですが、このようにマンガ化された形で読むと非常に伝わりやすいです。

「死」を突きつけられることで「生」を考える

いまだ症状悪化の可能性が排除はできず、後遺症として片側のマヒ・失語症・意識障害なども起こりうることを想像したときに、作者はおっそろしいことをサラッと思考します。

症状が 今以上に悪化しようものなら リハビリに耐えられる自信がない

生に対して そこまでのモチベーションがない

リハビリやりたくない

(リイド社/中川学『くも漫。』第15話 カウントダウン)

私はこんなに冷静な感覚で「自分の命」を天秤に乗せて量ったことはすぐには思い出せません(あったかな~?)。

生に対してのモチベーション…。

「正直、その発想はなかった」ってやつですね。

しかし、そんなある種の達観とは裏腹に、病状は快方へと向かいます。

これで作者は言い訳なしに「この世界で生きていく」ということに目を向けねばならなくなりました。

「生きる」ことが決まってから

さて。

逆説的ですが、「生」に向かってまっすぐで、ある意味充実していた「闘病生活」は終わりました。

くも膜下出血が原因で仕事をクビになっているので、身分は「ただの無職の29才」です。

「なるべく人と関わらない」「責任をとらなくてよい」「人聞きのいい仕事」を探しますが、そんな仕事はハローワークのお仕事検索では見つかるはずもなく、中途半端に過ぎる毎日。

そんな無為の日々のある夜。

作者はふと、退院時にくもマン扮する"くもパチ先生"からの「贈る言葉」を思い出します。

どんな生き方しようとも 人は皆どうせ死ぬ

くもパチ(くもマン)の「贈る言葉」

(リイド社/中川学『くも漫。』第17話 退院)

どうせ死ぬ…… なら

夢を追う無職のおっさん誕生

(リイド社/中川学『くも漫。』第18話 新しい日々)

この夜を境に、作者は「ただの無職のおっさん」から「夢を追う無職のおっさん」として身内にとってはよりやっかいな存在となったそうです。

まとめ

生に対してドライだった作者すら変えた「死」の銃口を突きつけられる闘病体験。

私はいまだ体験したことはありませんが、それが幸か不幸かはわかりませんよね。

欲を言えば、そんな銃口を突き付けられなくとも、自分で自分の生きたいように生きることができれば一番いいはずです。

そうなるように努めているつもりではありますが…いざとなるとどうだかわかりません。

せめて、この作品によって「自分も、いつか死ぬんだ」ということを改めて心に刻み、後悔の無い、、、は難しいと思うので、より後悔の少ない人生を歩んでいくよう努めていきたいと思いました。

やっぱり、死ぬときは納得して死にたい。「どうせ死ぬ」のですから。

皆さんはどうですか?

あたなにとって「どうせ死ぬ……なら」の後にはどんな言葉が続くでしょうか?

それでは、また!

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