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【こんなマンガが読みたい】本格古代ローマ戦記『ハンニバル戦争』(仮題)①

更新日:

著者:吉原さん

いえね。読みたいんですよ。古代ローマ…というか「ハンニバル」のマンガが。

塩野七生『ローマ人の物語』を読んでにわかローマファンになった私は、猛烈に読みたいんです。ただそれだけなんです。

絶対面白いと思うんだよなぁ。

こんな素材にほとんど手垢がついてないってすごいですよ。

一部ハンニバルをあつかっている作品もありますが、なになにまだ穴場です。

今回はメモもかねて、ちょっとハンニバルについて書いてみます。

それでは、よろしくお願いします!

ハンニバルの基本情報

ウィキペディアを参考にまず基本情報を。

ハンニバル・バルカ(紀元前247年 - 紀元前183年/紀元前182年)

カルタゴの将軍

2,000年以上前の人物で、当時地中海世界で日の出の勢いの共和制ローマ(まだ帝国じゃありません)に恐怖の一撃をくらわす人物。

「戦術の天才」として歴史に名を刻む軍人です。

カルタゴというのは今の北アフリカのチュニジアやスペインのあたりを領土にしていた国ですね。

ハンニバル伝説

ローマとカルタゴが地中海の覇を争った戦争は第三次まであり、そのうちの15年以上におよぶ「第二次ポエニ戦争」のことを「ハンニバル戦争」ともいうそうです。

・・・もうね。そこから変。

なにそれ?

なんで戦争に個人名を冠するの?

日本史にそんな例があったでしょうか?

うーん。だめだ。しばらく考えてみても「大塩平八郎の乱」しか思い浮かばない。

規模が違う、規模が。

ハンニバルは最終的にはローマに敗れるのですが、彼がローマ人に与えた恐怖の爪痕はとてつもなく深かったそうで、ウソかまことかイタリアでは現在でも「悪いことするとオバケがくるよ」的なノリでハンニバルの名前がでてくるそうです。

2,000年以上、恐怖を語り継がれる男。もはや伝説ですよ、伝説。ハンニバル伝説。

"レジェンド"ってこういうこと。

「ハンニバル戦争」箇条書きメモ

以下、ちょっと恥ずかしいくらい雑駁ですが、思いつくままに箇条書きしてみます。

こういうのは勢いが大事なので。

序盤

・[導入]父親の無念を晴らすためにカルタゴ本国を無視して勝手にローマ攻めるハンニバル・バルカ。

・恨みやなにかに縛られたようなストイックさ。

・長きにわたって部下の離反もほぼ起こらなかったところから、人望は異常に厚かった。

・おそらく自分だけがうまみを吸うようなマネをせず、公平で寡黙で硬骨の人物だったのではないか。そんなキャラ設定でどうか。

・例えば、塩野七生『ローマ人の物語』には以下の記述がある。

寒さも暑さも、彼は無言で耐えた。兵士のものと変わらない内容の食事も、時間が来たからというのではなく、空腹を覚えればとった。眠りも同様だった。彼が一人で処理しなければならない問題は絶えることはなかったので、休息をとるよりもそれを片づけることが、常に優先した。その彼には、夜や昼の区別さえもなかった。眠りも休息も、やわらかい寝床と静寂を意味はしなかった。

(新潮社/塩野七生『ローマ人の物語』「ハンニバル戦記」[下]「第六章 第二次ポエニ戦役終期」)

・ハンニバル、象を連れての冬の「アルプス越え」にて開戦の狼煙。

参考:[ITmedia ニュース>ハンニバル将軍の“アルプス越え”ルートが判明 馬糞の痕跡が決め手に]

・「ひよどり越え」の義経もびっくり。もちろんローマ人もびっくり。

・行軍中、病気で片目が失明してしまう。「隻眼の天才戦術家」。ほら、もうキャラが立った。

・岩明均先生が『ヘウレーカ』で斜視風に描いたのがよかった。「隻眼」という情報だけでついつい安易に眼帯を描く作家は多いんではあるまいか。

・私の中のハンニバルのイメージはこの作品が最も近い。

岩明均版ハンニバル

(白泉社/岩明均『ヘウレーカ』「第1話」)

中盤

・共和制ローマを周辺世界で最強たらしめた重装歩兵を、これまで比較的軽視されていた騎兵中心の用兵で抹殺。何度やっても完全に相手の動きや心理を読み切って抹殺。戦術のパラダイムシフトを起こす。

・後にハンニバルを倒すことになる、見習い貴族スキピオも戦場で殺されかける。

・が、何度も戦場でハンニバルを「体感」し、後に完璧に理解して戦術をパクるただの天才。ハンニバルの直接的な敵であり、間接的な弟子。

→(スキピオ:後半の主人公格にする)

・何回やっても大負けするから「まともな戦争はしない」ことにする開き直りローマ。強国のプライドをかなぐり捨てる驚異の粘り腰。

・うって変わって「ローマの剣」の異名を持つ、猛将マルケルスだけが勝っても負けてもハンニバルをストーカーのように追いかける。当面のライバル。

・ハンニバルも手を焼き「マルケルスは勝つと調子づき、負けても悔しがってモチベーションあげるてくる。じゃあ勝っても負けても一緒じゃねぇかよ!」みたいなことを言う。

・何回勝ってもローマ同盟国が離反しない。本国も補給してくれない。やれば勝つけどやってくれない(戦ってくれるのはマルケルスだけ。二人は友達)。

「稀代の"戦術家"」と呼ばれてしまう悲しさ。"戦略"がハマらない。あまりのローマ連合の結束の固さと本国のやる気のなさで、徐々に消耗戦に。

・そんなこんなでハンニバルがマルケルスと1on1で足止めくってる間に、前述の若きスキピオがメキメキと実力を伸ばし、徐々に権力も掌握。

終盤

・ハンニバルが多くの指導者を殺してくれたおかげで国家ローマの権力のイスは空席がたっぷり。スキピオは特例だらけの大出世を重ねる。

・「戦術」の意味でも「台頭」の意味でもまさにスキピオはハンニバルが生んだと言える皮肉。

・このあたりからは物語の軸を徐々にスキピオにシフトさせる。なるべくハンニバルとコントラストをつけるために"明朗快活"であったり"若さ"であったりを印象付けるように。

・マンガ的な表現ということでイケメンにしてもいいと思う。

・スキピオには自軍や敵国との武将との男の友情エピソードもあるので、孤高の天才・ハンニバルとの対比をこのようなところでもしておきたい。

・スキピオ、いわゆる"リア充"っぽい感じ。スクールカースト最上位にいそう。

・全体的に闇のハンニバルと光のスキピオのイメージ。だが決して正義や悪で書くべきではない。

・復讐的な信念を動機に、ひとり爪をとぎ戦争をスタートさせ、本国への恨みすら思わせる、心に闇のすくったハンニバル。

・天才ハンニバルのまばゆい才能に触れ、そこに到達したいと純粋に"前"を目指し、故国の窮地を救うための正義をも背負う、心に光のともったスキピオ。

・二人の心にともるものの「差」や「違い」を描き出すように。

・最後の決戦前、スキピオはハンニバルのスパイをとらえる。そして、どのような意図があったかはわからぬが、必要な情報をすべて与えた上で、敵陣へかえした。

・それを受けてハンニバルはスキピオに会談を申し込み、前代未聞の決戦前の大将同士の会談が決定する。

・会談はもの別れに終わり、決戦は避けられぬこととなった。しかしこのようなことが成立すること自体、お互い並々ならぬ敬意と信頼を持っていたことがわかる。

・名高き「ザマの会戦」でハンニバルはスキピオに敗れる。長きにわたる戦いを一緒に過ごした部下たちも多くが戦死。

・この場面のために、極力ハンニバル側の登場人物もなにげない形で「人間」として描いていくべき。読者の情がうつっていくように。

・読者はどちらにも感情移入してもらい、「ザマの会戦」におけるスキピオの完璧なる勝利が複雑なものになるとよし。

・ここでも、『ローマ人の物語』での「ザマの会戦」にかかる記述を紹介したい。

十四年前にカンネの平原で起こったのと同じ状態が、ザマの平原で再現された。ただし、相手を変えて。

四十五歳の屈指の名将は、子飼いの兵士たちが殺されていくのを見守るしかなかった。一万五千のハンニバルの戦士は、このザマで全滅した。

(新潮社/塩野七生『ローマ人の物語』「ハンニバル戦記」[下]「第六章 第二次ポエニ戦役終期」)

エピローグ

・場面はとんで、「ザマの会戦」から数年後のハンニバルとスキピオの偶然の邂逅。

・ハンニバルに敬意を払った態度のスキピオから「古今最強の武将は?」の問いかけ。

・まず「アレクサンドロス」。それから「ピュロス」。次に「自分」と答えるハンニバル。

・思わずほほえんだスキピオが「ではあなたが私に勝っていたら?」と問うと、

「問題なく、私が最強だ」とハンニバル。

・スキピオとハンニバルを描くうえで絶対に外せない、お互いがお互いを認め合うエピソード。

・戦後、カルタゴは多大な賠償金を負うことになるが、政治家に転身したハンニバルがここでも才能を発揮し、多少強引ではあったものの不可能とも思えた完済を果たす。なにやっても有能。

・あらためてハンニバルのすごさに触れてもらい、読者にも多少の溜飲を下げてもらうが、この有能さと強引さが裏目にでる。

・有能すぎてローマがまたビビる。ビビりはヒステリックな攻撃性を生む。加えて強引過ぎて内部で批判がでる。

・有能な人はバカに歩調をあわせることが嫌いだから、往々にしてこういうことが起きがち。

・有能さと強引さが生む恐怖心と反発心の合わせ技一本で国外脱出せざるをえなくなる。

・ハンニバルはきっと「人の恨みが飼いならせない」タイプの人間。

・ローマの追手が迫り、ハンニバルは国外にて自殺。

・またほぼ同時期にスキピオも政治的に失脚させられ、失意の死を迎える。

・ウィキペディア先生によれば、

死に臨んだスキピオは先祖代々の墓に入ることを拒否し、自らの墓石に「恩知らずの我が祖国よ、お前は我が骨を持つことはないだろう」と刻ませたと言われている。

だそうである。

・物語は岩明均『ヘウレーカ』のラストのような最後を迎える。

やがて すべての目撃者は死に絶え 二千年が経過した・・・・・・・・・

どんな天才も歴史の波に消えてゆく

(白泉社/岩明均『ヘウレーカ』「最終話」)

・その才能を十分に使い尽くし、果敢に生きた二人の人間は、歴史の波に飲まれ、そして消えていった。

・(完)

描くべき内容・まとめ

・地中海を震撼させたハンニバルの孤高。敵をもわが師とし、天から多くのギフトを与えられたスキピオの輝き。

・人間の才能、その限界点。皮肉なる二人の天才の運命。

・時代をつくったスキピオとハンニバルは多くの凡人の嫉妬からくる反発心や恐怖心を刺激し、あまりにもむなしい最後を迎える。

・強い光は強い影を作る。

・個々の人間にスポットをあてたときの能力・生命・感情のきらめきと、戦争も含めた政争の愚、その空々しさ。虚しさ。

こういう内容のマンガが読みたいんですよ!

続きます。

いっつも長いのにここまで読んでくれてありがとうございます。

それでは、また!

※参考図書①:塩野七生『ハンニバル戦記──ローマ人の物語』

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※参考図書②:岩明均『ヘウレーカ』

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