【こんなマンガが読みたい】本格古代ローマ戦記『ハンニバル戦争』(仮題)②

更新日:

medi8

著者:吉原さん

【こんなマンガが読みたい】本格古代ローマ戦記『ハンニバル戦争』(仮題)①からの続きになります。

前回は全般的な内容のメモでしたが、今回は最大の見せ場と描いてほしいマンガ家を挙げます。

それでは、よろしくお願いします!

最大の見せ場「カンネの戦い」

ハンニバルを語る上で外せないのが、最大の戦果をあげた「カンネの戦い」です。

ハンニバルが用いた包囲殲滅戦術は芸術的で、今でも欧米の士官学校の教習で使われるのだとか。

よってハンニバルのすさまじさを想像するために、「カンネの戦い」だけは紹介させていただきたいと思います。

ちょっと算数的に考えてみましょう。

色んな本やサイトで数字が違うんですが、今、唯一手元にある活字の塩野七生『ローマ人の物語』を参考にしてみます。

ロ ー マ軍:77,200人

ハンニバル軍:50,000人

差は27,200人ということですが、どのくらいの人数かなぁ~って思って検索したら、日本武道館を2回満席にするくらいですね。

結構差があるように感じますがどうなんでしょう。ハンニバル軍5万からすると、ほぼ1.5倍です。

ローマはこの戦いにまわせる戦力のほぼすべてを投入しています。総力戦ですね。

戦力差がものをいう開けた平原でこの両軍がぶつかったら、どんな結果になると思いますか?

(まぁ、勝つのはハンニバルなのですが)

例えばそれぞれの軍の生き残りの人数をちょっと予想してみてください。

はい、こうなります。

ロ ー マ軍: 7,200人

ハンニバル軍:44,500人

参考として、岩明均先生の『ヘウレーカ』の一コマをご参照ください。

カンネーの戦い終結図

(白泉社/岩明均『ヘウレーカ』「第1話」)

死屍累々の歴史的損害です。

将棋で言ったら自軍は「歩」しかとられてないのに、相手側は「玉」どころか「飛車・角・金・銀・桂・香」くらいまで全部とられてるような感じ。

「包囲」して「殲滅」してるんですが、なんで相手の方が1.5倍も数が多いのに包囲できるのか、さっぱりわかりません。

一応、図にするとこのようになるようです。『ローマ人の物語』からの抜粋となります。

※サイズ的に読みづらかったので、①②③と経過を示す番号を入れております。ご留意ください。

カンネの会戦の見取り図

(新潮社/塩野七生『ローマ人の物語』「ハンニバル戦記」[中]「第三章 第二次ポエニ戦役前期」)

ちなみにローマの重装歩兵は地中海最強の精強さでならしています。

ハンニバルの戦術の妙は、そういった個々の兵の強さを無視。

しかもこの戦いではローマの国家指導者層の約25%が戦死しました。

現代日本で換算すると、一回の戦闘で180人の国会議員が死ぬような計算になります。

あなたの自治体選出の国会議員もひとりやふたりは死んでる計算ですよ。

その中には要職を務めた人間もおり、まさに悪夢のような信じられないレベルの敗戦でした。

どんなマンガ家に描いてもらいたいか

エッジの利いた新人、脂がのった中堅、酸いも甘いも噛み分けたベテラン。

それぞれ差はでるんでしょうが、「描ける人」が描けば誰が描いても面白くなるでしょう。

条件としては、個人としての人間を深く理解する作家であること。

そして天才(=この場合、傑出した意志の強さと感性)の人格を理解して表現できること。

個々の人間だけでなく、集団としての人間にも迫れること…などでしょうか。

さらに言えば、表層的なエンタメ要素や読者サービスなんかにはあまりこだわらない作家がいいですね。

薄っぺらくなるんで。

鉄板・岩明均先生

同じくシチリアにおける「ハンニバル戦争」を描いた短編『ヘウレーカ』やさらにその前の時代になるアレクサンドロス大王の時代を描いた『ヒストリエ』を見れば、もういろんな意味で岩明先生しかいないのではないかと思えるレベル。

100%完成度の高い名作が出来上がると思います。

ですが、体調や年齢的に取り組むのは難しいでしょうね。なんとかお体に気を付けつつ『ヒストリエ』を描き切ってほしいなと思います。

気鋭・乃木坂太郎先生

『医龍-Team Medical Dragon-』『幽麗塔』を描き、今は『第3のギデオン』を連載中。

少しアニメっぽいエンタメ寄りの絵柄なんですが、絵のイメージよりもずっと人間への迫り方が深い作品ばかりで驚きました。いろんな意味でものすごく技量が高い。

『第3のギデオン』においてフランス革命を舞台に描いていますが、実在の人物を完全に消化して新たに産み落とすことに成功しています。

あんなに威厳のあるルイ16世ははじめてみました。

私には『ベルサイユのばら』にでてくるような「心優しき暗君」のイメージしかなかったですし、そういう人は多いでしょう。

その中であえてまったく新しいルイ16世像を描くのですから、すごいとしか言い様がない。よほど自信がある証拠です。

スキピオやハンニバルについても、独自の解釈で取り組んだ上で歴史的整合性もつけ、しかも必ず面白いものを届けてくれるはずです。

天才・三宅乱丈先生

絶対に面白い。

『ペット』にみられる深い人間の情念。『ぶっせん』などにみられる明るく優しく素直な性質。

『秘密の新撰組』では歴史ものにバカ設定を持ち込みつつも、うまい具合に史実に絡めて描き切りました。

ハンニバルの持つ孤独や執念、そして哀愁。スキピオの持つ素直な明るさ。器の大きさ。

にじみ出る知性の戦い。数多くの人間同士がぶつかる中で醸し出される大河感。

無論、歴史的整合性もしっかり担保した上で描いてくれるであろうことは想像に難くありません。

どんな切り口で描いても必ず描き切るはずです。

「スキピオとハンニバル」はふり幅の広い三宅先生とすごく相性のいい素材なのではないでしょうか。

私の思い描くプロットのままだと寂寥感しか残らないのですが、三宅先生であればまた違った未来ある最後を描いてくれそうです。

読みたい。

ファンはぶしつけに好き勝手なこと言ってますが、すごく読んでみたいです。

熱情・吉沢潤一先生

『足利アナーキー』で鮮烈なデビューを飾り、以後『デザート』『ギャル男VS宇宙人』『マリア』など、アウトローというかヤンキーというかそういう素材で描くことが多い作家です。

いや、吉沢先生はすごいですよ!

格闘マンガではどうしても知っている知識をご披露して教本みたいな本になるか、マンガ的に誇張された必殺技が飛び出て現実感をなくす作品になりがちなんです(それはそれで楽しみ方があるのは承知で指摘しますけど)。

が、吉沢先生の作品は「体験的知識」をさらに一歩進めた「体験的経験知」とも言うべきリアルさで、むやみやたらな説得力を持っています。時々姿を見せる哲学性も含めて、ちょっと類をみない。

「人はなんのために生きるか」常にそこを問われるような切れ味の鋭さも感じます。

もうね、アウトローヤンキーマンガ(古代)でいいです。

よく考えたらハンニバルって超絶アウトローだし。

正直、ハンニバルは『足利アナーキー』の主人公・ハルキそのままでもいいんじゃないかな?

私の解釈だとちょっと堅い印象のハンニバルなんですが、吉沢先生が描くような、パッション先行型のキャラクターという解釈でも十分に成り立つんじゃないでしょうか?

ストイックなところは似ていますし、生命力が強くてタフなところもそのままです。

個の内面の感覚や心理に迫ることの多い作家なので、戦場心理や群集心理も描き切ることができるでしょう。

とにかく肌感覚の強い作家なので、戦場の暴力性やハンニバルの持つ迫力・スキピオの魅力など唯一無二の世界観の展開が期待できます。

ギャングの抗争と国盗り物語は本質的に変わるところはないと思うので、そこに定評のある吉沢先生であれば、史実的な所を出発点とする作品とはまったく違うレベルの臨場感を持った作品が出来上がるんじゃないでしょうか。

ともすると歴史マンガは史実の羅列のような退屈な方向に行ってしまいがちなので、キレッキレのアウトロー型ハンニバルはすごくワクワクさせられますね。

なるべく好き勝手描いてほしいです。

まとめ

いやー、やっぱり面白そう。

どのマンガ家が描いても絶対に面白くなるなぁ。

なんであれ、作品は「人間」が描かれれば必ず面白くなりますし、スキピオとハンニバルはそれを描くに適した素材だと思います。

大体19巻完結くらいでどうでしょうか?

読みたい。ぜひに。

以上、勝手な妄想でした。でも絶対面白いよ?これ。

それでは、また!

※参考図書①:塩野七生『ハンニバル戦記──ローマ人の物語』

1巻完結!

楽天kobo【電子書籍】塩野七生『ハンニバル戦記──ローマ人の物語』1巻完結

Kindle【電子書籍】塩野七生『ハンニバル戦記──ローマ人の物語』1巻完結

楽天【紙書籍】塩野七生『ハンニバル戦記──ローマ人の物語』1巻完結

Amazon【紙書籍】塩野七生『ハンニバル戦記──ローマ人の物語』1巻完結

※参考図書②:岩明均『ヘウレーカ』

1巻完結!

楽天kobo【電子書籍】岩明均『ヘウレーカ』1巻完結

Kindle【電子書籍】岩明均『ヘウレーカ』1巻完結

楽天【紙書籍】岩明均『ヘウレーカ』1巻完結

Amazon【紙書籍】岩明均『ヘウレーカ』1巻完結

『こんなマンガが読みたい』の他記事

【こんなマンガが読みたい】本格古代ローマ戦記『ハンニバル戦争』(仮題)①

【こんなマンガが読みたい】本格古代ローマ戦記『ハンニバル戦争』(仮題)②←今ここ

medi8

medi8

-こんなマンガが読みたい
-,

Copyright© 吉原さんのおすすめマンガ , 2017 All Rights Reserved.