【大人になるまでに読みたいマンガ100選シリーズ】小学校・高学年編/30選

マンガ選書

著者:吉原三等兵(@Twitter

【大人になるまでに読みたいマンガ100選シリーズ】の第2弾、小学校・高学年編です。

第1弾の小学校・低学年編はこちらからどうぞ。

【大人になるまでに読みたいマンガ100選シリーズ】小学校・低学年編/20選

自分がもう一度少年時代に戻るとしたら。

そして、自分の子どもや「これから」を生きる子どもたちにマンガを読んでもらうとしたら。

そんなことを考えながら、実際に自分が何度も読んだ作品の中から選書しています。

選書ルール

実際に進めていく前に、まずルール等基準の説明を。

※既に【大人になるまでに読みたいマンガ100選シリーズ】小学校・低学年編/20選で読んでる方は飛ばしてください。

  • 完結・連載中問わない
  • 読んで欲しい順番で並べる
  • 途中で区切るor複数作品まとめて紹介

完結・連載中問わない

…問いませんが、結果的にはほとんど完結作品になるだろうと思います。

単純に「完結作品」と「連載中の作品」では作品数が違いますので。

読んで欲しい順番で並べる

"順序"や"流れ"って結構重要だと思ってて、読んで欲しい順番で並べています。

例えば。

野球マンガを読むにしても口当たりの良い『MAJOR』を読んだそのおかわりに、濃厚な『巨人の星』って読めますか?って話で。

いや、賢明なあなたは読めるかもしれませんが、やっぱり時代的なものもあって読みにくさを感じてしまうものだろう、と。

さらに、なるべく関連するテーマの作品は連続して読んで考えを深めていきたいところです。

別にそうでないといけないわけではないですが、ご参考いただければ幸いです。

途中で区切るor複数作品まとめて紹介

作品によっては途中で区切ってご紹介することもあります。

例えば、小山ゆう『お~い!竜馬』の少年時代編は小学生でも理解しやすい内容だと思いますが、青年編はどうでしょう?

政治的な関係や当時の社会情勢などが絡んでくるため、ちょっと読みにくいですよね。

エロも出てくるので、こういう場合はあえて切り離す!

小学生編で読みたいのは「心に種をまく」ことにつながる作品なので、それが含まれていればその部分だけをご紹介させていただくということです。

またシリーズものだったりして、まとめて読んだ方がいいようなものはまとめてご紹介いたします。

それでは、よろしくお願いいたします!

小学校・高学年編/30選

  1. 『SLAM DUNK(スラムダンク) 』/井上雄彦
  2. 『ピンポン』/松本大洋
  3. 『あしたのジョー』/ちばてつや(著),高森朝雄(梶原一騎)(原著)
  4. 『度胸星』/山田芳裕
  5. 『無頼伝 涯』/福本伸行
  6. 『男おいどん』/松本零士
  7. 『翔んだカップル』/柳沢きみお
  8. 『うしおととら』/藤田和日郎
  9. 『ジョジョの奇妙な冒険』/荒木飛呂彦
  10. 『ヴィンランド・サガ』/幸村誠
  11. 『HUNTER×HUNTER』/冨樫義博
  12. 『まんが道』/藤子不二雄Ⓐ
  13. 『上京ものがたり』/西原理恵子
  14. 『ひとりずもう』/さくらももこ
  15. 『かくかくしかじか』/東村アキコ
  16. 『賭博黙示録カイジ』/福本伸行
  17. 『銀と金』/福本伸行
  18. 『銭ゲバ』/ジョージ秋山
  19. 『刑務所の中』/花輪和一
  20. 『モリのアサガオ』/郷田マモラ
  21. 『ベルサイユのばら』/池田理代子
  22. 『地球(テラ)へ…』/竹宮惠子
  23. 『夢みる惑星』/佐藤史生
  24. 『ブッダ』/手塚治虫
  25. 『ぶっせん』/三宅乱丈
  26. 『カムイ伝』(中盤まで)/白土三平
  27. 『寄生獣』/岩明均
  28. 『火の鳥』(望郷編)(乱世編)(鳳凰編)/手塚治虫
  29. 『コミック昭和史』/水木しげる
  30. 『風の谷のナウシカ』/宮崎駿

1.『SLAM DUNK(スラムダンク) 』/井上雄彦

  • 王道スポ根の再定義
  • 表現力の高さと人物描写の裏打ち
  • 山王戦にすべてがある

さて、井上雄彦先生の『SLAM DUNK(スラムダンク) 』。

多くの人が知る人気作であり、マンガ教養的な意味でも一読に値するでしょう。

正直に言います。

読まず嫌いしていたことは誤りでした。

連載当時、「汗がすごいな…」くらいしか思ってなかったのは完全に失敗。

お金が無くてジャンプは読めなかったので、横目にしか見てなかったから…と言い訳させてください。

TVアニメも主題歌がキラキラしてたんで、「絵もカッコいいし、きっとオシャレでキラキラした(薄い)話なんだろう俺には関係ないなと興味が湧かなかったのです…。

さて。懺悔はこのくらいにして。

書きはじめると長くなるので、一点だけ。

それは物語終盤も終盤の最強・山王工業戦。

主人公である初心者の桜木が「ルーズボールを拾う」シーンに対して、過去のセリフが重ねられるんですよ。

初心者だけど…いつかバスケ部の……………

救世主になれる人かも知れないよ…お兄ちゃん!!

桜木君っていうの―

(井上雄彦『SLAM DUNK 完全版』23巻 #264「救世主」/集英社)

これね。

言ってはなんですけど、「たかがルーズボール」と言えば「たかがルーズボール」。

その「ルーズボールを拾う」ということに全力をかけているプレーに対して、キャプテン・赤木の視点から「チームの救世主」という言葉が思い起こされている。

これが、すごい。

確かに重要なプレーだったと思いますが、この作品は少年マンガなんですよ。タイトルは『SLAM DUNK(スラムダンク) 』なんですよ。

普通は主人公が『スラムダ~~ンク!! 』つって試合を決めたところで、「救世主!!」ってなもんじゃないんですか。だって、少年マンガなんだから。

しかし、それをしない。

「ルーズボールを拾う」「そこに全力をかける」。

こういう部分にハイライトを持ってくるあたりに、企画もの・商品化されたものとは一線を画す印象を受けるんです。

「ウケるシーン」「カッコいいシーン」を考えていても出てこない、「必然」として出てくるシーン。そんな感じがします。

たまたま能代工業高校(=最強・山王工業のモデル)の元監督の書籍で、ルーズボールを追うことの大切さを読んだばかりだったので余計にそう感じました。

※ちなみにルーズボールのことは陵南高校の田岡監督も口を酸っぱくして言ってましたね。「ルーズボール追わない奴は試合に出さない」っつって。

いや、しかし。

本当に山王戦にはすべてがある。

山王戦だけは何回も読み直してしまいます。

<この作品の記事>

『SLAM DUNK(スラムダンク)』地を這うものに翼はいらぬ。未熟のリーダー、湘北バスケ部主将・赤木剛憲


2.『ピンポン』/松本大洋

  • カッコよすぎる卓球シーン
  • ハイセンスにして王道スポーツもの
  • 「才能」に対してピントをあてた

小学校高学年ともなると、それなりにスポーツ等に力を入れている子もいると思うので、スポーツものを連続してもう一本。

松本大洋先生のハイセンスな表現力で描かれる高校卓球の世界。

才能を持つ若者たちの描き方が、それぞれ違ってて面白いです。

狭い世界で天狗になっている人間。

やる気がなく才能を眠らせている人間。

都落ちに納得しきれない人間。

強迫的努力に支えられた人間。

「才能」と「努力」「勝利」と「敗北」の狭間にいる少年たち。

「才能」。

そう遠からずどこかでぶち当たる概念であり、この作品でひとまずその残酷さに触れいろいろ考えてもらってもいいのではないか、と思います。


3.『あしたのジョー』/ちばてつや(著),高森朝雄(梶原一騎)(原著)

  • 意外と「立つなジョー」と言われる
  • 林紀子と話すところが良い
  • 白木葉子と話すところが良い

スポーツ繋がりでさらにもう一本。

高森朝雄名義の梶原一騎先生とちばてつや先生のコンビの『明日のジョー』です。

とは言え、この作品はボクシングものというより「矢吹丈」という人間の物語と表現すべきでしょう。

丹下のおっちゃんが「立つんだ!ジョー!」と叫ぶシーンが代名詞ともなっていますが、意外と「立つな」と言われているのが印象深い。

初見の時にイメージとの違いを感じたものです。

このサイトででみっちり調べられていますので、興味のある方はご一読を。

(※ちゃんと調べてる人がいるものですね!)

参考 丹下段平は何度「立つんだジョー!」と言ったか 矢吹丈全52ダウンから検証海が見えるまで

上記リンク先でも指摘がありますが、「立て!立て!」と根性をあおることがテーマとなる作品では決して無いですね。

ジョーは純度の高い人間であり、物語が進むとともに孤独感は増し、表情も少なくなっていったように感じます。

孤高と言えば聞こえは良いですが、だんだんと周囲の人間がついていけなくなるんですね。

ドヤ街の子どもたちは距離をとる。

少年院からの盟友・西はうどんに逃げる。

丹下のおっちゃんは持て余し気味。

下宿先の紀ちゃんもギリギリまで踏み込みましたが、理解には及ばず。

好敵手かつ理解者であった力石は(事故とはいえ)その手で殺し、カーロスはホセによって廃人に。

唯一最後までジョーにくらいつき続けたのは、これまでずっとジョーに毒づいてきた「白木葉子」だけでした。

…であるからこそ、それぞれの人間の生き方を問う内容になっており、これから大人になっていく子どもたちにも「矢吹丈」という少し偏った人間の生き様を見て、考えるべきことを考えて欲しいと思います。


4.『度胸星』/山田芳裕

  • 高次元生物テセラック!!
  • 宇宙飛行士試験もの
  • 宇宙までいっちゃう連中の生命力

『へうげもの』『デカスロン』などでも有名な山田芳裕先生の『度胸星』。

とにかく四次元生物「テセラック」の存在が最高でした。

不可視の「概念」に挑戦したということを称賛したい。

悲しいことに打ち切りなのですが、あまりにももったいなさすぎる作品です。

(あの頃のヤンサンは…、いや、長くなる。止めよう)

…。

「宇宙」「火星」という想像が及びかねる世界。

そこへ至るためにすさまじい情熱を燃やす人間たち。

理解をはるかに超えた高次元生物。

エンタテイメントとしても面白いことは確かなのですが、それ以上のなにかが残る作品

また宇宙飛行士の試験という題材は当時鮮烈で、見どころが多かったです。


5.『無頼伝 涯』/福本伸行

  • 「素直になぁれっ!」
  • 「孤立」と「連帯」
  • 「自立する」ということ

殺人の濡れ衣をきせられた少年・涯が無実を証明するまでの闘争を描く、福本伸行先生の『無頼伝 涯』。

「素直になれ」

小中学生の頃、先生に何回言われたかわかりません。

私自身は同級生の中で「誰よりも素直」だと自認していたので、まったく意味がわかりませんでした。

(ちなみに小学校の通信簿の「協調性」の欄は入学から卒業まで最低評価でした。なんかもう逆に自慢したいくらい。)

ここで言う「素直」とは、疑問を抱かず、口答えせず、黙って大人の指示に従え、という意味しか指さないんですよね。

うちの祖父はすぐに「広辞苑をひけ」と言う人で、素直な私はよく広辞苑で調べてみましたが、何度調べても違和感しかない。

教師たちは、「素直になれ」ではなく「従順になれ」と指示すべきだとずっと思ってました。それだったら理解はできる。

さて。

ということで、「素直になれ」(という作中のセリフ)がある意味象徴的な本作。

この言葉に限らず、人間がどんな言葉で人間を支配しようとするか。

そして、「一人で立つ」ということ。「連帯する」ということ。

さらに「自立する」ということ。

「子ども(の成長)のために描かれている」という意味で、数少ない、本当の意味での「少年マンガ」です。

この作品が「週刊少年マガジン」で連載されたということは大きく評価されなければならない


6.『男おいどん』/松本零士

  • 正しい形の童貞的青春
  • 過ぎ去りし「昭和」
  • 「これから」の人間

最近の「童貞」的発想って攻撃的に過ぎると思うんですよ。

「イケメンはずるい。」

「自分も無条件に受け入れられたい。」

「受け入れないなら攻撃する」

この僕ちゃんを受け入れない世界の方が間違ってるんですよね。

そういうやつが多すぎます。

さて。

松本零士先生の『男おいどん』

そんな時代にこそ『男おいどん』の主人公、底辺浪人生の大山昇太(おおやま のぼった)はどうであったか、読んでみたいところ。

今日も今日とてみじめな暮らしに、「トリよ、おいどんは負けんのど!」と下宿でつぶやく毎日。

彼の最後の矜持を剥いでしまえばもうなにも残らない。そのくらい底辺の人間です。

しかし結局、その最後の「矜持」が人を人たらしめるのでしょうね。

正しい「青春マンガ」とはこういう作品です。

辛く。みっともなく。救いがない。

物語後半の「おいどんももう若くない」という言葉がさらにダメ押す。

このキラキラした軽薄さとは無縁の重厚感。サルマタケ色の青春。

大四畳半シリーズはどれも好きですね。


7.『翔んだカップル』/柳沢きみお

(※絶版しているからか?うまく広告が貼れないので、ここだけこんな感じです。ちなみに全15巻です)


【kindle】翔んだカップル(1)


【楽天kobo】翔んだカップル(1)〜(3)

  • ラブコメ学園もの…?
  • 男・女・女の三角関係
  • 個人的に恋愛のひな形

最初期のラブコメマンガになるのでしょうか、柳沢きみお先生の『翔んだカップル』です。

こちらはサルマタケ色の青春とはうって変わって主人公はそれなりにモテます。

「メガネをとったら実は美人!」とか「ひょんなことから学年のアイドルと同居することに!?」など、序盤は文句なく「ラブコメディ」と言っていい内容だと思うのですが、次第に良い味だしてくるんですよ。

読者をどういう風に楽しませるか、というよりそれぞれの人間の内面や悩みをしっかり描いたのが良かった。

「ハーレムもの」のマンガやるんだったら、必ずと言っていいほど女性キャラは人格は消してダッチワイフと化しますからね。

キャラ分け程度の性格や成績の良し悪しなんて「属性」程度の描き方ですよ。

「作品」というより「商品」だからしょうがないんでしょう。

そこを、ちゃんと、真面目に、人物を描いた。

そこが、良かった。

また、知的で自立した考えを持った「杉村くん」は長らく私の「理想の女性像」となり、彼女(のような女性)の幻影を追う高校時代だった、、、ような気がします。

あと、たまにちゃんと勉強したり友だちと酒飲んだりしてるところや、先輩や先生との距離やからみがリアルっちゃあリアル。そういうところも良かったですね。


8.『うしおととら』/藤田和日郎

  • 正しく「少年マンガ」
  • 王道エンタメ+「α」
  • 広げた風呂敷を畳み込む力技
藤田和日郎先生の『うしおととら』。

退魔の槍で妖怪と戦う少年・蒼月潮と、その相棒・妖怪とら。

王道的な少年マンガと言ってよく、どんどん広がる風呂敷を、強引でもなんでも畳み切った最終決戦は圧巻。

連載当時から「これ、ちゃんと終わるのか…?」と不安に思っていたのですが、まさに「全キャラ揃い踏みの総力戦」って感じでカタルシスがありましたね。

そして、王道的なエンタメ路線であるにも関わらず、しっかり「+α」として、少年たちへのメッセージが詰まった作品でもあったと思います。

妖怪「さとり」とのやりとりで、嘘が嫌いな主人公が嘘を覚えるところや、「満足する死」とは何かと人間に問いかける妖怪の話なんて良かった。

そういう大きなストーリーのうねりの合間に挟まれる短編に良作が多いです。藤田先生は短編がキュッとまとまってる。

地味にハプニングエロが散見されるのがひっかかるんですが(エロなんて無くても、この作品の価値は減退しない)、「長期連載の少年マンガ」をどれかひとつ少年に選べと言われれば、この作品を選びます。


9.『ジョジョの奇妙な冒険』(第1部~3部)/荒木飛呂彦

  • 第1部。私の憧れは「スピードワゴン」
  • 第2部。何度も読み返した「血染めのシャボン」
  • 第3部。圧巻のDIO戦

いまや超人気作、荒木飛呂彦先生、『ジョジョの奇妙な冒険』です。

語る人が多いので言葉少なにいきたいところなのですが、まぁ、しかし、時代の空気は変わるものですね。

私の小学生の頃は、クラスで読んでる人はひとりもいなかったし、少年ジャンプにおける掲載順は常に後ろの方でした。

ここまでジョジョがもてはやされる時代がくるとは想像もできません。

「80・90年代の奇書」として終わる未来もあったのではないかと思うのですが、まさかのアニメ化までされるとは。

さて。

第1部で注目の登場人物は、ロバート・E・O・スピードワゴン

悪役・ディオに出会った瞬間にその本質を喝破したシーンは、小学生の私に衝撃を与えました。

「環境で悪くなった人間」か、「本質的にもともと悪かった人間」か、をほぼ一目見ただけで断言する。

もちろんマンガの中の話なのですが、私はこれが絵空ごととは思えなかった。

言語化されなくとも、その「差」を峻別できる厳然たる論理性、それを導き出す知性と感性が背後にあるように感じられたのです。

「こういう人間になりたい!!」と小学生時分、強烈に思いました。

孫悟空の「かめはめ波」やダイの「アバンストラッシュ」よりよっぽど身につけたい特技でしたね。

思えば叶う、というところは多少はあったんじゃないかと思っていて、スピードワゴンを指標にできたことはありがたかったと思います。

また第2部のシーザーをはじめ、生き様、死に様を問うシーンが多いこともジョジョの特徴でしょうか。

「何のために生きるか」です。

死ねば良いってわけではないですけどね。

第3部の最終戦・DIO戦はマンガ史に残る決戦といっても過言ではないでしょう。

特に「時を止める」という能力を「まさに世界を支配する能力」と表現しきったのは良かった!

当時の少年マンガ的な強さって、単純に「出力」の面でしかない場合が多かったので、非常に斬新に感じました。

例えば「時間停止」という能力は、ほぼ同時期に連載があった『ドラゴンボール』中ではギニュー特戦隊の中で最も弱いグルドの技でしたが、まるで問題になっていなかった。

しかし『ジョジョの奇妙な冒険』第3部、DIO対花京院の戦いにおける時間停止の演出は息を呑むほどの圧力(プレッシャー)を感じ、絶望的に感じたものです。

仮面ライダーなんか観てても「出力=強さ」と思わされているところがあるので、子どもは心理戦も含めて「強さ」の定義を考えてみるといいと思います。


10.『ヴィンランド・サガ』/幸村誠

  • 本格ヴァイキングもの
  • 「復讐」から「再生」へ
  • 「少年マンガ」のその先へ

『プラネテス』で鮮烈なデビューを果たした、幸村誠先生の『ヴィンランド・サガ』。

これも当初は「週刊少年マガジン」での連載であったことを指摘しておきたい。

つまり購読対象者はある程度「少年層」も見据えていたということです。

途中で青年誌に移りましたが、そのことはやっぱり評価しておきたいと思います。

「強さ」

それが、どういうことか。

「復讐」

それが、どういうことか。

ともすれば、少年マンガやアニメの中では強く肯定される概念ですが、そこにメスを入れようという作者の想いを(勝手に)感じます。

「奴隷編」が良いですね。

アクション的エンタメ要素が強い作品なのでそういうのが好きな(私も好きですが)読者層がついていたと思われますが、アクション要素が陰をひそめた「奴隷編」で彼らがこの作品を揶揄っていたことを私は忘れません。

ある知人は「あぁ、あの農耕マンガ(笑)」とバカにしました。

「奴隷編」はテーマ的に必ず必要な物語だったと言える重要な期間で、しっかり取り組もうとする作者の強い意思を感じ、私は好感を持ちました。

「強い」ってなんでしょうね。

「最強」だとか「無双」だとか、そういう楽しみ方ってどこかひいてみなければならない時期がいつかくると思います。


11.『HUNTER×HUNTER』(キメラ蟻編まで)/冨樫義博

  • 別次元
  • 大人のための少年マンガ
  • 面白いとしか言い様がない

圧倒的エンタメ。

冨樫義博先生の『HUNTER×HUNTER』も、ランクイン。

キメラ蟻編を過ぎるとさらに複雑になるので、小学校高学年までと考えれば、いったんキメラ蟻編までの紹介とします。

この作品も語り始めると大変な労力がかかるのでやめときますが、個人的には「大人が大人のためにつくった少年マンガ」という印象。

(というより、作者が自分が面白い少年マンガを作った?)

普段エンタメ作品はあえておすすめすることは少ないのですが、この作品は別格だと思います。

ここまで突き抜けてればね。おすすめせざるを得ない。


12.『まんが道』/藤子不二雄Ⓐ

  • "まんが道"ジャンルの始祖
  • 青春・サクセス
  • 戦後資料としても

この作品も外せません。

藤子不二雄Ⓐ先生の自伝的作品、『まんが道』。

戦中史。戦後史。マンガ業界の黎明期。

もはや伝説のトキワ荘のことや手塚先生との出会い。

A先生のF先生に対する嫉妬や挫折。

そして、成功への道。

歴史記録としての価値はもちろんのこと、読むべきポイントが複数あります。

マンガ読みは必読。そうでなくとも色んな価値が認められる作品です。


13.『上京ものがたり』/西原理恵子

  • 西原理恵子版まんが道
  • ふんわり絵本風味
  • 将来へ向かって一歩を踏み出す

『まんが道』のつながりでここから、いくつかマンガ家の自伝的作品を紹介してまいります。

まず、西原理恵子先生の『上京ものがたり』。

"まんが道=マンガ家の自伝的作品"というジャンルは当たりが非常に多いです。

やっぱり体重が乗るのでしょう。

さて。

『上京ものがたり』。

うちの母には「よくある話」と言われてしまったのですが、さらさらと絵本のようなタッチで入ってくるので、少年・少女は入りやすいと思います。

それなりにきつい現実も書かれているんですが、実態よりもかなりマイルドに感じるのではないでしょうか。

こういう書籍からどの程度読み取れるかは個人差がありそうで、読んだ感想なんか子どもごとに聞いてみたいですね。

量も短く1冊完結。まずはこちらをどうぞ。

14.『ひとりずもう』/さくらももこ

  • さくらももこ版まんが道
  • 同名エッセイのマンガ版
  • まるちゃんの未来と思うと感慨深い

さくらももこ先生の『ひとりずもう』。

嫌味のない名作だと思います。

少年・少女はこういった身近な自伝をいくつか読むとやっぱり良いと思うんです。

共通する悩みや想いが描かれていますから。

とはいえ、サクセスストーリーばかりじゃなくていいですけどね。まぁ、その辺は『男おいどん』とかでバランスとっていきましょう。


15.『かくかくしかじか』/東村アキコ

  • 東村アキコ版まんが道
  • 特殊な「先生」との子弟関係
  • 名作揃いの「まんが道」系でも光ってる

売れっ子マンガ家の東村アキコ先生の「まんが道」。

東村先生が学生時代に出会った「絵画教室の先生」との「師弟関係」を中心に描かれます。

「出会い」(と別れ)こそが人生ってところもあって、この作品のキモはやっぱり「先生」との出会いと関わりと言えると思います。

同作者の数々のエンタメヒット作と毛色の違う本作。

「さよならだけが人生だ」という言葉を思い出しました。


16.『賭博黙示録カイジ』/福本伸行

  • もはやマンガ教養
  • 単純に面白い
  • スピンオフ作品の出来も秀逸

ここまでくると「マンガ教養」の一種で、読んでないと他作品でもわからないネタが多いというレベルの作品。

福本伸行先生の記念すべき「カイジ」シリーズの1作目。『賭博黙示録カイジ』。

単純に面白いのですが、それだけではないのは衆目一致でしょう。

お金の話もあるので、小学生のうちに一度読んでもいいかな。


17.『銀と金』/福本伸行

  • カイジに比べ、ややハード
  • 金と裏社会
  • ビル脱出編は必読

個人的には福本伸行作品の中で一番好きな作品。

ギャンブルものではあるんですが、必ずしも分かりやすいギャンブルばかりでもありません。

ちなみに、この作品は主人公・森田が途中退場して、その後主人公を入れ替えて中途半端に続いた後に連載終了。

これが、意外に嫌いじゃない。

主人公交代以後が蛇足に感じるところは正直あるんですが、主人公の「森田」という人間は「マンガの駒」ではなく、しっかり「生きた人間」として扱われた気がします。

この後の構想も色々あったのかもしれませんが、これはこれで悪くないと思ったり。

しかし、ビルに閉じ込められる話ばっかり何回も読んでしまいますね。

『SLAM DUNK(スラムダンク) 』の山王戦みたいなものです。

そこに全てがある。


18.『銭ゲバ』/ジョージ秋山

  • これは愛なのか悪なのか
  • 世の中銭ズラ
  • 銭があればなんでもできたのか

意外とドラマ化までしてしまった、ジョージ秋山先生の『銭ゲバ』。

「金」への価値観って、子どもの時点でも一回は突き詰めて考えておくべきところです。

特に昨今は大人の世代の拝金主義も凄いですから、うっかりしていると子どももそのまま染まることでしょう。

(たぶん、この傾向は今後もっと激化する。)

…と言うことで『銭ゲバ』。

『賭博黙示録カイジ』や『銀と金』まではそれでもエンタメと言って良いんでしょうが、この作品は単純にそうは言えません。

しかし、その2作品は『銭ゲバ』を読むにあたって知性と感性の地ならしになっているはず。

金(とそれにまつわる権力)を手に入れれば人生に勝てるのか。勝ったと言えるのか。

言える人もいると思います。

でも私は、「本当に金さえあればそれで人生大満足」という人間はかなり欲が少ない人(というか単一的に過ぎる人)で、実は案外少数なんじゃないかとも思います。

普通の人間はもっと強欲ですよ。

「お金」

小学生高学年は、一度は自分なりに深く考えてみてもらいたい。

「お金」の優先度をどの程度のところに設定するか、によって生き方は変わってくるでしょうからね。

後からだとちと遅い。ちなみに私は世間知らずでした。

どうであれ、早いに越したことはないです。


19.『刑務所の中』/花輪和一

  • マンガ「獄中記」
  • 反省録ではなく日記
  • ヘロインなんか目じゃない「甘味」への渇望

懲役3年

(刀剣類不法所持と火薬類取締法違反)

そんな花輪和一先生の獄中録。

『銭ゲバ』で人を自由にする(するのか?)「金」という価値観にまみれた後に、極端に自由を制限された「刑務所の中」を知るというのも「乙」な気がします。

淡々と日記的に刑務所での生活が描かれるわけですが、特に食べ物に関する描写の吸引力が凄く、本当に美味しそうに見える。

作者をして「ヘロインなんか目じゃない」とまで言わせます。

もちろん閉ざされた環境であることが要因であると考えますが、人間がどういうものか知る一助になるでしょう。

制限された環境の中でも、それなりの幸せを得るものです。

あと、黒田硫黄先生も言ってましたが、こんな所に行っても人は良くも悪くもならないと思う。


20.『モリのアサガオ』/郷田マモラ

  • 死刑制度に詳しくなる
  • 死刑囚と刑務官の物語
  • 死刑制度は是か非か

刑務所つながりでこちらもおすすめ。

郷田マモラ先生の『モリのアサガオ』。

端的に言えば、読者に死刑制度の是非を問うためのマンガ作品、でしょう。

様々な角度から死刑の是非が何度も検討され、それはそのまま読者への問いかけでもあります。

死刑制度・是か非か問答集ってところでしょうか。

まぁ~、驚くほど主人公が右に左に極端に触れながら悩む姿に一種の狂気も感じます。「大丈夫か、お前…」っていう。

このマンガの主人公の最終結論そのものはさして問題ではなく、やっぱりその都度都度で読み手が自分の考えを詰めることに意味があるんでしょう。

(例え、読了時点では「わからない」という結論であったとしても)。

「お金」と一緒で「人が人を殺す」ということも、早い段階で一度は考えた方がいいと思います。


21.『ベルサイユのばら』/池田理代子

  • 少女マンガの代名詞
  • 私がはじめて読んだ少女マンガ
  • 誇り高きオスカルに惚れる

池田理代子先生の『ベルサイユのばら』。

皆が認める名作を「名作です!」と紹介するのはあんまり好きじゃないのですが、やっぱり名作だと思います。

が、この作品も色んな論点があって、一言に語るのは大変難しい。

しかし、それでもどれか一つを挙げるとすれば、私はやはりオスカルの高潔さに涙が流れる思いなのです。

当時、社会現象を巻き起こしたというのもわからなくはない。

「高潔さ」は美点とばかりは言えない側面も持ち合わせると思いますが、それでも「人間の美しさ」のひとつの形だよなぁ、と思っています。


22.『地球(テラ)へ…』/竹宮惠子

  • 宇宙における人間とミュウと呼ばれるエスパーの戦い
  • 階級問題・人種問題・差別問題
  • 「生」の意味を問う旅路

竹宮惠子先生のSF作品、『地球(テラ)へ…』。

この作品も論点が多く、限られたスペースでは十分に表現することができません。

非常に設定が凝っており、そこには現代社会が抱える多くの問題が表されていると思います。

ただ、この作品はその諸問題に対する(安易な)アンサーを掲げたような作品ということではない、と解釈しています。

しかし、人間側の立場、ミュウ側の立場、第三の人種の立場、それぞれに主人公とも言うべき登場人物が設定されており、それぞれの視点で読むことで、実際に読者本人が現実世界でどのように考え・感じていくかの訓練ができるのではないか、と感じます。

ラストシーンがね、好きなんですよ。

幼児がボールを夢中で追いかけていくかのように、人は生きていくしかないのかもしれません。


23.『夢みる惑星』/佐藤史生

  • 滅びの定めを負った文明
  • 施政者の立場での対応
  • カリスマか詐欺師か救世主か

『地球(テラ)へ…』と同じく設定が非常に練られており、SFファンタジーな世界観が素晴らしい。

佐藤史生先生の『夢みる惑星』

大きな嘘をつく(フィクションの世界を創造する)ことは高い技量が求められると思いますが、それを成し遂げた作品だと思います。

宗教者や王の立場で、民を見る・世界をとらえる、という視点のマンガ作品は多くなく、そういった意味でも希少価値のある作品と言えるのではないでしょうか。

どうしても「少年マンガ」というのは弱者が強者に打ち勝つ物語が多いわけですが、強者が「それなりの理由」で、「必要な悪」を成し、「目的を達成」する、という話も読んでおいても良いでしょう。

立場が違えば見えるもの・やるべきことも違うもの。

神官として中途半端な能力しか持ち合わせない主人公が最初に手をつけた仕事は、世界有数の真の聖人たちの暗殺指示です。

この作品のスケールを感じました。


24.『ブッダ』(チャプラ編以降)/手塚治虫

  • 富と貧困
  • 戦争と差別
  • ブッダの人生

さて、指導的立場の神官が主人公である『夢見る惑星』の次は、同様な立場の『ブッダ』を改めてご紹介します。

ご存じ、手塚治虫先生ですね。

【大人になるまでに読みたいマンガ100選シリーズ】小学校・低学年編では、『ブッダ』のチャプラ編までを推しましたが、今回はその続きですね。

高学年ともなれば全巻読破は可能でしょう。

紀元前より語り継がれる正真正銘の「レジェンド」、ブッダの人生を描くというのは大変な事業ですが、私はどうにもこの物語のブッダ周辺の人物が好きで。

前回の記事(【大人になるまでに読みたいマンガ100選シリーズ】小学校・低学年編)で取り上げたチャプラはもちろんのこと、

実直で義理人情に篤いタッタ。

利に聡く、ある意味人間味に溢れたダイバダッダ。

悲しみを抱えた怪力・巨躯の男、ヤタラ。

死の予言を恐れるあまりに息子を遠ざけたビンビサーラ。

父を愛していたにも関わらず、不幸にも予言通りに父を殺したアジャセ。

絶対強者であったはずが息子に王位を追われ、牢屋で雑草と話していたパセーナディ。

母が奴隷階級であったことを知り、苦しみや悲しみ、そして激情に身を任せたビドーダバ。

権力闘争や強烈な階級差別の中での人々の人生の苦しみが、喜びが、胸を打つのです。

小学校高学年時点でどこまで感じ取ることができるか。

そう少なくはないはずです。


25.『ぶっせん』/三宅乱丈

  • 仏教学園もの
  • 君も50単位で悟りだ!
  • 天才・三宅乱丈の初仕事

さぁ、仏教つながりでこの作品を。

天才(…って言っちゃ努力を否定するようで失礼かな。でもそう感じてしまう…)・三宅乱丈先生の『ぶっせん』。

これはもう、本来一回どっかで時間とってみっちり記事に起こさねばならない作品なのですが、涙をのんで短くご紹介します。

ギャグ作品、といって良いとは思いますが仏教の小ネタがちまちま挟まれるところが個人的にツボ。

そして、全員入学と同時に頭をそっているので、(マンガ的な意味で)個性が出しにくいのかと思いきや、まったくそんなことはない。

違和感なくクラスの一員になったかのように登場人物の顔と名前を覚えてしまうと思います。

最終話を読むころにはメンバーとの思い出が胸をよぎることでしょう。

そういう体験ができるのは、ひとえに丁寧に丁寧に人物描写をしながら、ひとりひとりの人間を描いてきているからです。

君も50単位で悟りだ!

(この言葉の破戒的な響きが凄く好き。)

  • 架空の藩を舞台にした歴史大作
  • 非人・百姓・武士・オオカミ。3人と1匹の主人公
  • 血みどろの階級闘争

さて、階級闘争つながりで改めてこの白土三平先生の『カムイ伝』を。

【大人になるまでに読みたいマンガ100選シリーズ】小学校・低学年編でも紹介しましたが、改めて高学年編でもご紹介します。

あの頃とは、また違う感じ方ができるようになっているはず。

自らの能力と知性と覇気をもって、果敢に生きた、カムイ、正助、竜之進。

ぜひ、自分の目で、心で、体験して欲しいですね。


27.『寄生獣』/岩明均

  • 名作SF作品
  • 「マンガ教養」レベルの作品のひとつ
  • 「岩明均」の名を世に知らしめた

さぁ、この作品も超有名作なので、多くを語るのはやめておきましょう。

岩明均先生のヒット作、『寄生獣』です。

高校生の泉新一と人食いの寄生生物・ミギーとの奇妙な共同生活。

『ドラえもん』や『ド根性ガエル』といったような異種との共同生活のリアルバージョンと言うこともできるかもしれませんが、人間と他の生き物との距離や付き合い方の面まで踏み込みました。

人によっては「ミギーかわいい」という程度のリアクションかもしれません(実際、そういう感想しか持たなかった人に会ったことあります)。

まぁ、いろんな人がいろんな楽しみ方をしているところが名作の名作たる理由のひとつでしょう。

さて。

この作品を語る場合、ぜひ紹介したい場面がひとつあります。

それは「母」が家に帰ってくるシーン。

正確には「母だった生き物」が。

「入ってきちまったじゃねえかよ…」って見開き1P。

見慣れた自宅の廊下のシーンが見開きページになっている。

これが最高。

「当たり前の平凡な風景」をあえて1コマの見開き1Pで描くことで漂ってくる濃厚な違和感。

ハッキリと言います。

最の高!

あ、画像は出しませんよ。

ぜひ自分の目で体験するべきです。


28.『火の鳥』(望郷編)(乱世編)(鳳凰編)/手塚治虫

  • <望郷編>=新しい惑星での新世界創造
  • <乱世編>=弁慶目線での源平合戦
  • <鳳凰編>=我王と茜丸。『火の鳥』の代名詞

【大人になるまでに読みたいマンガ100選シリーズ】小学校・低学年編では『黎明編」と「ヤマト編」をご紹介しましたが、高学年編では「望郷編」「乱世編」「鳳凰編」を推します。

個人的には、これぞ手塚治虫、これぞ『火の鳥』とも言うべき3本。

必須図書。


29.『コミック昭和史』/水木しげる

  • 水木しげるの「昭和史」
  • 少年時代から戦時中、戦後の話
  • 特に戦時体験は必見

水木しげる先生の戦中。戦後。

いや、平時の日本で生きてきた私にとっては、本当にすごい時代だったんだったと考えるしかないです。

私の世代(1980年代生まれ)なんかは直接祖父から聞いていた面もあるので、水木先生の淡泊な語り口の背後を「想像する、想像しようと努める」部分もあるのですが、うちの子供の世代になるとまたどうなんでしょう。

水木先生は達観したかのような飄々とした書き方をするんで、子どもには深刻度が伝わりにくいかもしれないですね。

しかし、その分『はだしのゲン』などよりも消耗をせずに読むことができるかもしれません。

まずは読んでみて欲しい。そして、自分の頭で考えてみて欲しいと思います。

後から色んな書籍で勉強していく面もあるでしょうが、最初の作品としておすすめしておきます。

そして、水木先生…。

南方の原住民に受け入れられて、「水木しげる専用芋畑」なんかを作ってもらってるあたり…。

人徳なんでしょうかね。

もう、本当、いろいろとすごすぎる…。


30.『風の谷のナウシカ』/宮崎駿

  • アポカリプティック・フィクション
  • 巨大な蟲が跋扈し、瘴気に包まれた世界
  • 文明、国家、人種、戦争、病、種の生存、自然との関わり

最後は、宮崎駿先生の『風の谷のナウシカ』。

「ナウシカはアニメよりマンガが面白い」とはよく聞く話しですが、アニメはあくまで序盤までのところで、マンガにて長大な本編が語られます。

小学生の読破当時は人類生存の道を自ら閉ざすナウシカが理解できないまでも、「簡単な問題じゃないんだ」ということは伝わりました。

「私達はなんてたくさんのことを学ばなければならないのだろう」とは作中の台詞ですが、本当にそのとおりだと思います。

超有名作ですが、この作品をもって【大人になるまでに読みたいマンガ100選シリーズ】小学校・高学年編/30選を締めくくりたいと思います。


小学校・高学年編/30選まとめ

前回、【大人になるまでに読みたいマンガ100選シリーズ】小学校・低学年編ではたった20選であったにも関わらず、15,000字もかかってしまった反省から、今回はなるべく短く書くことを心掛けました。

結果、30選で17,000字です。

…いかがでしたでしょうか?

ちと長すぎるかなぁ。

いや~、でもちょっとこれ以上は短くなっていかないな。

こんな感じでやっていく予定ですが、この後も皆さまできればお付き合いください。

さて、前回の低学年編と比較して、エンタメの作品もいくつか紹介してきました。

エンタメそのものが悪いわけではないので、高学年くらいから読んでいっても良いでしょう。

あと、前記事でも書きましたが大事なことなので、改めてこの記事を書いている動機を再掲します。

大人になるまでに読みたいマンガ100選シリーズを書く動機

私はすでに人生の半分は通過したと思います。

「もう半分」かもしれませんし、「まだ半分」かもしれません。

ですが、子どもも生まれたこともあってか、自然と「下の世代に何を遺すか」ということを意識することが増えました。

そのひとつとして、貴重な日本独自の文化であるマンガをすすめるのです。

どうか。

新しい世界を生きる子供たちには、心地よいもの、口当たりの良いものだけに触れてほしくない。

一瞬で消費できる作品にばかり触れてほしくない。

自分の心に残り、その後も折々ゆっくりと消化していけるような、そんな体験をしてほしい。

そんな思いで選書しました。

はい。

そんな思いで書いてますので、どうぞよろしくお願いします。

それでは、また!